大分銘菓ざびえる
箱がなんとも高級感があるんです。黒を基調に赤の線が入ったビロード風の触感の箱は昔から変わっていません。
50年以上にわたって愛されている大分を代表する銘菓ですが、じつは一度、灯が消えたことがあります。
「ざびえる」は最初、別府市で創業した長久堂が1962年から製造・販売していたのですが、2000年に自己破産してしまい、ザビエルの販売が途絶えたのです。しかし、お土産や、地元住民のお茶請けとして非常に人気があったため復活の要望が強く、それを受け長久堂の元従業員が「ざびえる本舗」という新会社を立ち上げて、2001年に製造・販売が再開され今に続いています。
黒地に金と銀がある個別包装で、金のものはラムレーズン、銀のものは白餡となっていてバター風味豊かな皮がそれらを包み込み、南蛮菓の名前にふさわしいお菓子に出来上がっています。
「ざびえる本舗」は「長久堂」の製造機械をほぼ受け継いだため味もそのまま、昔ながらの「ざびえる」です。
このお菓子が誕生したのは大分がフランシスコ・ザビエルと関係が深かったからです。1551年豊後の国の府内(今の大分市)を訪れたフランシスコ・ザビエルは、豊後の国を治めていた戦国大名大友宗麟の庇護を受け、キリスト教を広めると共に、小学校や病院を次々に建て、大分に南蛮文化の花を咲かせました。その功績を讃えて、和洋折衷のお菓子、「南蛮菓ざびえる」が誕生したのです。
長久堂には「瑠異沙(るいさ)」というお菓子も販売されていましたがこちらも人気があり、同じく「ざびえる本舗」で販売されています。
大分の南蛮菓を食べながら南蛮文化で反映していた大分に思いを馳せるのもいいですね(^^)
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